出口和径教室
基礎科からスタートした教室で11年目になります。
後藤会は古典図案、会長の図案をもとに、各々創りたいものをじっくり彫り上げています。
古典に取り組む方、厚板から盆を手刳りしている方、写真から図を起こし、自分だけの古典を彫る方など様々です。
場所・日時: | 鎌倉彫会館 月2回 第1・第3木曜日 13:00~16:00 |
問い合わせ: | 後藤会本部 TEL:0467-23-7822 |
気に入っているものを彫っている時はとても楽しい。
日頃の雑念はいつの間にか消えてしまう。不思議なマジックである。
チューリップは私の大好きな花。
春にはたくさんの元気を届けてくれる。
待ちきれなくなって栃波やオランダまでの追いかけて行ったこともある。
多くの出会いを思い起こしながら、チューリップを彫るのはすごく楽しい。
菓子器 「流れ文」(中村好円)
緩やかに流れながら、時には急激に流れて行く水の流れを彫り上げた器です。
先日、近郊の足柄古道を歩いた時、そこここに樹木が植えられ、その中に和歌と共に桂の木も植わっていて親しみを感じました。まだ若木なので木地になるまで何年もかかると思いながら歩きました。
私の性格上、作品に取りかかると一気に進めてしまい、細心の注意を払わずに塗りに出して、後悔することがあります。幸い、この器は黒の漆の色が美しく、彫りの未熟さを補ってくれ、すっきりとした器に仕上がったと思います。
長方盆 「獅子牡丹文」(沼田尚和)
この作品は中央に獅子を配し、周囲を牡丹が取り囲んだ図柄です。獅子は「百獣の王」として威厳と誇りに満ち、存在感あふれるものです。また、牡丹も「百花の王」にふさわしく満開の大輪と蕾で富貴と成長を表現しています。
“動物と植物”“動と靜”“王者と王妃”の対比はともに譲らないものの、王者の矜持が調和を保っているところが見どころで、抽象が具象化する精神統一が要求されるところです。
パネル 「山・エベレスト」(吉田峰水)
標高8848m世界最高峰“エベレスト”
初めて見るその美しさ、人を寄せ付けない神の座、空の碧さ、岩と氷の殿堂、厳しく、荒々しく・・・
その時の強い印象を鎌倉彫で残したいと思い、どう表現できるか考えながら彫りました。エベレスト特有のイエローバンドといわれる黄色の地層、雪崩、氷河は刀痕のみで表しました。
少しでも想いが形になって残せたかなと思っています。
教室風景