荒津和風教室

荒津和風教室

気のあった仲間が、第2・第4水曜日に鎌倉彫会館に集まります。
自分の作りたい物を図や彫り方、塗りあがりの色まで、一緒に時間をかけて考え、木地に絵をつけていくのです。楽しいけれど真剣になるひと時です。
仲間とのオシャベリに花が咲いて手の方が疎かになることもしばしば・・・・とても素敵な空間を共有出来るお教室です。(2004年9月)

場所・日時: 鎌倉彫会館 月2回 第2・第4水曜日 9:30~12:30 13:00~16:00
問い合わせ: 後藤会本部 TEL:0467-23-7822
arat001_1パネル 「鷺」(高橋操咊)

99年度教授会創作展は「生きもの」が課題で私は“鷺の求愛”をテーマにして作図しました。

長方皿の木地を裏返して丸みのある面を使い、角を落として写真のように変形してみました。

近くに雌がいるのでしょうか。

美しい羽を広げ、人の近寄れない場所に安心して佇む姿を彫りで表現する難しさ、特に細い足に注意を払いコツコツと想いをこめて彫り上げました。

 

arat001_2飾り額「百合」(鈴木蕗和)

百合は私の大好きな花の一つ。

相伝研究会の教材として独創的なカットの木地に尚子先生のすてきな図案。

優雅な中にも凛とした百合の雰囲気をどう表現できるか、とても難しく苦労しました。

先生方の適切なアドバイスに助けられながら彫り進んで行く・・・それは緊張と同時に楽しい時間でもあり、また大変勉強になった作品です。

arat001_3飾り箱「遥」(中原凌和)

何を入れましょうか。

大切な宝物ですか。

天空の月を見て形をイメージしました。遥かかなたの月からのメッセージは届いたかしら。

三分割され二か所に入る仕組みですので、見かけによらず入ります。
塗りは黒に金を加飾して仕上げてあります。
相伝を取得する時の課題作として創作したものでお気に入りの一品です。

 

arat001_4パネル 「飛雲」(水野 丞和)

後藤会で1995年夏、この飛雲のための特別講座が開かれたのに参加して彫ったものです。

おそらく仏師の手に成る建築或いは堂内装飾の一部であろうと思われます。
群れては流れる自然界の雲を美しくまとめたのではないかとも思われました。

透かしの部分の大小、雲のひだ高低もしっかりと、下から軽やかに天空に昇ってゆく姿の表現に、ことに心を込めて彫りました。
塗りは古代色を出すため、柿渋でそれぞれ自分で塗りました。

後年、訪れた平等院の鳳凰堂でも仏の周りに多くの雲が美しく舞っておりました。

arat001_5会席膳「花」(笹尾 昂和)

病後久しく心の迷いのあった後に、初めて取り組んだ作品です。

無心に木地に向かい合い、一枚目、二枚目は唯々一生懸命でしたが、次第に楽しくなり何時の間にか五枚を彫り上げていました。

未熟ですが心から満足した作品の一つになっています。